三重県津市美杉町。
山々に抱かれた静かな谷に、君ケ野ダムは1972年に誕生しました。
昭和43年(1968)の起工式から着工し、昭和47年(1972)に竣工。
以来50年以上にわたり、地域の暮らしと水を守り続けています。
ダム湖のほとりには、ひっそりと慰霊碑が建っています。これは建設工事の過程で、作業中に命を落とした方々を悼む碑です。
私たちが何気なく使っている水道水や、田畑を潤す農業用水、そして洪水から街を守るダムの役割は、多くの人の努力と、その犠牲への上に成り立っていることを静かに語りかけてくれます。
歴史の中で積み重ねられた“地域を守る力”
1968年、美杉の水害や渇水をなくすために君ケ野ダムの工事が始まり、1972年に大きな期待の中で完成しました。
その後も台風や渇水のたびに水を蓄え、洪水を調節し、地域の暮らしを静かに支え続けます。
30周年を迎えた2002年には、その役割を改めて地域が見つめ直す年となり、2017年の異常豪雨にも働き続け、2022年に半世紀の節目を迎えました。
その後も台風や渇水のたびに水を蓄え、洪水を調節し、地域の暮らしを静かに支え続けます。
30周年を迎えた2002年には、その役割を改めて地域が見つめ直す年となり、2017年の異常豪雨にも働き続けました。
半世紀の節目。
静かな湖面の下には、災害も日常も、地域を守り続けた長い記憶が積み重なっています。
50年を超える歳月の中で、ダムは“当たり前の日常”を静かに支えてきました。
四季とともにあるダム周辺の景観
君ケ野ダム周辺には、自然と文化が調和する名所が点在しています。
春の桜、夏の深緑、秋の紅葉、冬の静寂。
水源の風景は、季節ごとに違った表情で訪れる人を迎えます。
見えない支えへの感謝を胸に
湖面を眺めていると、水が“当たり前にある”ことのありがたさに気づかされます。
その陰には、建設に携わった多くの方々の努力と技術、そして慰霊碑に刻まれた尊い犠牲があります。
ときわたりのレンズは、その静かな歴史と、地域を守り続ける思いを丁寧に記録します。
君ケ野ダム――50年を越えて、今日も変わらず水を湛え、地域の暮らしを静かに支え続けています。


