📝 旧国鉄伊勢奥津駅給水塔の記録とご紹介
伊勢奥津駅跡にある給水塔が、令和6年7月19日に開催された国の文化審議会の文化財分科会で審議され、新たに国の登録文化財とするべき建造物として、文部科学大臣に答申されました。
JR名松線は、昭和4(1929)年に松阪駅から権現前駅までの約7kmの開業に始まり、昭和10(1935)年12月5日に松阪駅から伊勢奥津駅までの全線43.5kmが開通、給水塔はその際、機関車への給水のために建てられました。
ディーゼル機関車に移行後、機関車から客車へと車両が変わり、現在では車両基地が名松線の終点となった伊勢奥津駅から撤退しましたが、鉄塔のような姿の給水塔は、当時の景観を残している貴重な産業遺産です。
名松線は、過去幾度となく廃線の危機がありました。平成21年の台風18号の影響により路線の一部が不通となった際には、延べ11万人以上の署名を集め、平成28年1月26日に地域の皆さんの名松線を残したいという強い思いと、県・JR東海・三重県・津市が一体となって復旧を果たし、いわゆる名松線の“線復旧”を6年半ぶりに果たしました。
給水塔はこのような時勢の変化の中、失われることなく、また「伊勢奥津駅給水塔は、価値が高く重要な工作物であり、国の歴史的景観に寄与するものである。」と評価され、登録有形文化財としての価値が認められました。
現在、この給水塔の床や樋管、室外に出た取水施設も現存しており、伊勢奥津の静かな自然の中にたたずむその面影は、当時の鉄道遺構に思いをはせる楽しみとなっています。
伊勢本街道を活かした地域づくり協議会のポスターより抜粋
🛰 空撮映像(動画)
🔄 360°画像ビュー
🧱 3Dモデルビュー
Tokiwatari_temple1 by tokiwatari on Sketchfab
📌 備考
- 撮影日:2025年6月14日
- 使用機材:DJI Mini 4 Pro、RICOH THETA X、Metashape など
- 撮影者:岡村佳拓(ときわたり)